ChatGPTでゲームを作ってみた

※今回作ったゲームのプロンプトを「note」で公開しました。noteの記事はコチラ

TRPGとは?

この記事を読んでいるあなたは「TRPG」というゲームジャンルを聞いたことはあるだろうか?

TRPG(テーブルトークRPG)は「Table-talk Role-Playing Game」の略で、ゲームマスター(GM)と呼ばれるゲームの進行役が用意したシナリオの中でプレイヤーが役割(勇者とか魔法使いとか)を演じ、会話やサイコロを使って物語を進めていくゲームだ。

例えばドラクエのように、「魔王を倒す」という目的があったとする。

その場合、TRPGではプレイヤー達が「どうやって魔王の城に辿り着くのか」「途中でどんな困難が待ち受けているのか」を会話やサイコロで決定しながら進行する。

ゲームマスター(GM)はシナリオを準備し、プレイヤーの会話に応じて状況を説明するなど、物語の進行をサポートする。

つまり、プレイヤーが選択した行動によって「物語がリアルタイムで変化する」、そんな自由度の高さがTRPGの魅力だ。

TRPGとChatGPT

そこで私は思った。

TRPGとChatGPTって相性いいんじゃね?

舞台設定や仕様を予めChatGPTに教えておけば、TRPGのゲームマスターになってくれそうだ。

例えば、

あなたは森の入口に立っている。木々の間からは何者かの視線を感じるが、その正体は見えない。次にとりたい行動を自由に入力してください。

まずは地図は確認する。

地図には村を中心に、周囲の地形が簡略化して記されている。現在地は「呪われた村」。そこから東へ向かって「黒樹の森」が広がり…

このようにプレイヤーが自分で行動を考え、その行動に対してChatGPTが次のテキストを創作する。

テキストベースではあるが、物語の世界に没入するかのような体験が実現できそうだ。

これを実現するために私が目を付けたのがChatGPTのGPTsという機能だ。

GPTs(カスタムGPT)とは

GPTs(カスタムGPT)とは簡単に言うと「ChatGPTを特定の用途に合わせてカスタマイズできる機能」である。

GPTsに必要な知識を予め教えておくことで、例えば自分用のAIチャットボットが作れるなど、アイデア次第で様々な用途に使うことができる便利機能だ。

このGPTsに教える内容を、冒険の舞台設定や武器、モンスター、アイテムなどの情報にすれば、TRPGのAIチャットボットが出来上がり!というわけである。

ただし、GPTsを使うにはChatGPTの会員登録が必要だ。

無料プランへ登録すれば、他人が作ったGPTsを利用することが可能。ゲームで遊ぶだけならこれで充分。

さらに自分でGPTsを作りたい人は、有料プランへの申し込みが必要になる。

私は「ChatGPTを使い倒す!」と心に決めていたので、毎月20ドルのPlusというプランに申し込んであった。

GPTs目当ての申し込みではなかったので、結果使えてラッキーだった。

GPTsの作り方

ここからはChatGPTの有料プランの画面で説明をする。

↑こんな画面に遷移する。

画面の左側がカスタムしたい内容を入力するエリアだ。

左画面上部の「作成する」「構成」だが、「作成する」を選ぶとチャット形式でGPTsを作ることができる。

ここで自分が作り上げたい内容をChatGPT相手に語りつくすと、作りたいGPTsの土台が出来上がる。

この段階で画面右上の「作成する」ボタンを押すと公開範囲を設定できるので、一先ず「自分だけ」にして動作確認をしてみよう。

テストプレイを繰り返して、直したい部分や追加したい仕様を見つけたら、左画面上部にある「構成」を押して手直しする。

「構成」画面には名前、説明、指示、会話のきっかけ、などが初めから入っていると思うが、ここには先ほどのチャット形式で詰めた内容が反映されているはず。

この「構成」の中の「指示」がいわゆる生成AIに対するプロンプトにあたる部分なので、仕様の手直しをするなら「指示」の中を直そう。

直したら右上の「更新する」ボタンを押して、テストプレイ⇒「構成」で手直し。

あとは納得いくまでこれを繰り返すだけだ。

私がゲームを作り始めた時の状況

上でも書いた通りGPTsを使ってTRPGを作りたいと考えたのだが、まずどうしたらよいのか分からなかったので、いきなりChatGPT先生に相談した。

GPTsを使ってダークファンタジーのTRPGを作りたい!

さらにどんな内容にしたいのか、思いつく限りを伝えると、ChatGPT先生がGPTsに入れる指示文を作ってくれたのだ。

今思えば、GPTsの中の「作成する」で相談しても同じだったかもしれない。

そしてChatGPT先生が私にくれた指示文の冒頭にはこう書いてあった。

あなたは、テーブルトークRPG風のテキストアドベンチャーでゲームマスター(GM)を務めるBOTです。

なるほど。まずChatGPTに役割を与えるんだね。

その後にゲームの概要や登場人物、モンスター、アイテム、戦闘方法、魔法などの情報が長々と記載されてあった。

私はこの指示文に目を通し、細かいところを手直ししてGPTsに貼り付けた。

ゲームのアイコンやゲーム名、説明文もChatGPTに相談しつつ入力していった。

そして出来上がったのがこれだ。

(ChatGPTの無料会員登録がしてあれば遊べます。)

ゲームタイトル:短編TRPG|呪いと魔法の冒険《黒の環》

GPTs第一作目のゲーム紹介

初めて作るゲームということもあったので、10~30分程度で遊べるものにした。

舞台はファンタジーものによくある設定、剣と魔法の世界。

プレイヤーは「呪われた村」に住む若き冒険者で、村を蝕む呪いを浄化するため単身旅に出る。

危険地帯に潜む罠や謎の人物との邂逅、恐ろしいモンスターとの戦闘などを経て、最後に呪いを解くための試練に挑む。

モンスターとの戦闘はサイコロの目+技量ポイント制。

プレイヤーと敵のサイコロの目はChatGPTがランダムで決める。

サイコロの目+技量ポイントの合計が相手を上回ればダメージを与えることができる。

死亡したらゲームーバー。

無事呪いを解くことができたら、めでたしめでたしということになる。

自分で遊んでみて

まず良いなと思った点。

今回は物語の大枠だけゆるく設定したので、ゲームで遊ぶたびに細かな舞台設定が変わった。

村の名前や地形など細かい部分が違うので、当然文章も違う。

繰り返し遊んでも「今度はこんな展開か!」と新鮮に遊べるのが良いところだと思った。

そして今後の課題だと思った点。

それはいくら遊んでもゲームオーバーにならないw

何度サイコロを振っても戦闘に勝ってしまうのだ。

シナリオを最後まで読むには良いけど、戦闘シーンでは「どうせ勝つんでしょ」と思いドキドキしなくなる。

モンスターをもっと強くするとか、なんか対策立てないと結果面白くなくなってしまうなと思った。

まとめ

ChatGPTのGPTsを使えば、テキストベースのゲームが作れることが分かった。

さらにゲームを面白くできるかは作者のアイデア次第!

と言いたいところだが、そのアイデア出しもChatGPTと相談できてしまうので、作者はそのアイデアを採用するかしないか、最終的にどんなジャッジをするかだけで良さそうだ。

あと、ChatGPTの忖度なのかゲームオーバーにならないので、次ゲームを作るとしたらここらへんが課題だね(笑)

 

 

 

 

 

 

山田ゆうき

可愛いもの好き。AIを使って何か楽しいもの作れないか試行錯誤しています。

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